今日は何の日?~マンガで覚えるたのしい記念日~ 第22回 12月23日は「東京タワー完工の日」
カレンダーを見ると「○○の日」と書いてあり、その日が何かの記念日になっていると気が付くことがあります。何かの日だと知るだけで、ちょっと今日が特別に感じて何かしたくなるもの。そんなときは、記念日に関係したマンガを読んでみるのはどうでしょう。本日12月23日は「東京タワー完工の日(東京タワー完成の日)」にちなんで、東京タワーを印象的に描いたマンガを紹介します。
文・構成 / コミックナタリー編集部
日渡早紀「ぼくの地球を守って」(白泉社)
「東京タワー あれ ボクにくれない?」
いまや一大ジャンルとなった「前世」「転生」。「ぼく地球(タマ)」こと「ぼくの地球を守って」は、それらの要素を1986年時点で物語に盛り込み、社会現象とも言えるブームを巻き起こした少女SFファンタジーの傑作だ。同作で東京タワーは、主人公たちの前世と現在をつなげる重要な存在として描かれている。月基地で暮らしている不思議な夢「ムーン・ドリーム」を見た高校生たちは、それが前世の記憶ではないかと推測し、同じ内容の夢を見ている者を探し出してコンタクトを取り合う。その中で、1人だけ年若く「ムーン・ドリーム」を体験している男子小学生の小林輪はみんなよりも深く前世の記憶に覚醒。とある計画を遂行するため輪は、父親が東京タワーの改築に関わっている暴走族の少年をESP(超能力)で脅し、こうつぶやくのだった──「ボクね 前からほしかったものがあるの」「東京タワー あれ ボクにくれない?」。
楳図かずお「わたしは真悟」(小学館)
「333ノテッペンカラトビウツレ」
主人公・さとるのお父さんが働く町工場に導入された、部品組み立て用の作業ロボット・モンロー。ロボットが働くめずらしい工場には社会科見学に訪れる小学校も多く、さとるはそこで別の学校に通う女の子・まりんと出会う。大人に隠れて、モンローにプログラミングして遊ぶうち、親密になっていく2人だったが、そんな折、まりんが海外へ引っ越すことになってしまう。愛し合う2人は離ればなれになる運命から逃れるため、結婚をして、子供を作りたいと考えるが、どうしたらいいのかがわからない。「?ドウスレバコドモガツクレルカ」という質問にロボットのモンローが出した答えは「333ノテッペンカラトビウツレ」。その言葉に従い、高さ333mの東京タワーの”テッペン”に登った2人。そこで起きた出来事とは!?
CLAMP「東京BABYLON」(KADOKAWA)
「あなたは『東京』がきらいですか?」
はるか昔から日本を守ってきた陰陽師・皇一族の13代目当主である昴流と、暗殺集団・桜塚護の跡取り星史郎という本来は相容れない2人が行動をともにし、東京で起こる霊的事件を解決する様子を描いた「東京BABYLON」。「あなたは『東京』がきらいですか?」という問いかけから始まる物語の中では、そこで生きる人々の目から見たさまざまな「東京」の姿が映し出される。その第1話「BABEL」の舞台となるのが東京タワー。特別展望台に現れる女性の幽霊は、自分を自殺へと追い込んだ東京は大嫌いな街だが、東京タワーから見る夜景だけは好きだったと語る。この、何かを「好き」になるという感情こそが「東京BABYLON」全体を貫く大きなテーマであり、そこで語られる東京タワーは単なるランドマーク以上の意味を持つ。ちなみに昴流は“東京出身”だが東京タワーに足を運んだのは初めてだと明かしており、外部の者ほど東京タワーを東京のシンボルとして見がちだと星史郎は語っている。あなたの周りの東京出身者にも、意外と東京タワー未体験という人がいるかも?
「CLAMP PREMIUM COLLECTION 東京BABYLON」1巻 – KADOKAWA